• 6-1. BSL-4施設の候補地が坂本キャンパス内とされていますが、どのような理由からでしょうか?

     長崎大学坂本キャンパスには、これまで数々の研究成果をあげてきた熱帯医学研究所のBSL-3施設があり、現在まで安全に管理運用してきており、また、隣接する長崎大学病院には、エボラ出血熱やラッサ熱などの患者を収容できる県下唯一の第一種感染症病床があり、国内外の観光旅行客の多い長崎で、万一感染者が出た場合にスムーズに対応できることが第一の理由です。大学病院に近い場所であれば、患者から採取した血液などによる診断や治療を迅速かつ的確に行えますし、交通トラブルなどのリスクも低減できます。
     第二の理由は、坂本地区には長崎大学病院を含め、さまざまな領域の感染症研究者が約150人在籍していることです。BSL-2施設やBSL-3施設などさまざまな施設も充実しており、日常の研究や人材育成に適しているだけでなく、患者発生のような緊急時の対応も行いやすいと考えています。
  • 6-2. 敢えて市街地(坂本キャンパス)にBSL-4施設を設置する理由は何ですか?

     長崎大学は、BSL-4施設を設置して研究および人材育成を強力に進めることで、感染症の制圧に貢献することが極めて重要な役割と考えており、したがって、可能な限り速やかに成果が得られる場所に設置したいと考えております。そのためには、①安定したインフラ供給が可能な環境、②研究用資材の入手や機器のメンテナンス・修理の容易な環境、③その他の研究分野との交流・連携が可能な環境を確保することが重要です。
     また、平成27年5月18日に福岡でもエボラ出血熱の疑い例が出ましたが(結果は陰性)、坂本キャンパスにBSL-4施設が整備されれば、将来的には長崎大学病院国際医療センターとの連携により、早期診断、それに基づく早期対応、さらには治療支援も可能となりますし、そもそも、坂本キャンパスには、医学部をはじめ熱帯医学研究所が立地し、長崎大学病院とあわせて、感染症に関わる研究者など約150名が結集しており、迅速に的確な感染症対策を行うことができる環境が整っていることが重要です。
     言い換えれば、こうした条件の満たされない地域に設置するのであれば、設置する意義がないとも言え、長崎大学の研究資源を活用した成果を迅速に生み出すためには、坂本キャンパスが最善の選択であると考えております。
  • 6-3. なぜ、長崎なのか。また、坂本キャンパス以外の長崎の地で設置するほかのオプションはないのですか?

     BSL-4施設の設置に当たっては、迅速な研究成果や着実な人材育成のために多数の感染症研究者が存在する環境が重要であり、そうした観点から、長崎大学としては坂本キャンパスが最も適切であると考えております。
     なお、長崎大学は、平成26年12月に長崎市議会および長崎県議会に提出した文書において、BSL-4施設の設置は長崎大学病院との連携により地域の市民の方々の安全・安心の向上にも寄与できる、としています。
  • 6-4. 居住地から10km以上離れた場所に設置すべきではないですか?

     研究及び人材育成に関する迅速な成果のためには、研究環境の整った坂本キャンパスへの立地が必須であり、長崎で懸念される大雨等の自然災害や火災、テロへの対応等安全な施設運営の観点からも、同キャンパスへの立地しか考えられません。
    さらには、第一種感染症病床を有する大学病院と近接していれば、地域の感染拡大防止にも貢献できます。
  • 6-5. 市街地にBSL-4施設を設置することはWHO(世界保健機関)の指針に反するという見解がありますが、どういうことですか?

     既にWHOに確認し、市街地への設置も問題なし、との回答を得ています。長崎大学はBSL-4施設の設置を検討するにあたり、本件についてWHOに問い合わせ、「BSL-4施設が正しく建設され、適切に運営されるのであれば、都市の中心部に建設されたとしても問題ない」旨の回答を得ています。
    欧米諸国のBSL-4施設の相当数が市街地に建設されていますが、WHOはこれらを問題視したことはありません。
  • 6-6. WHOの文書に住宅地から可能な限り離れて建てなければならいと規定されているのではないのですか?

     WHOのバイオセキュリティ管理担当に確認したところ、ご指摘のWHOの文書は、主として病院の施設内に設置する検査室について述べたものであり、病院内で多くの人々が行きかう場所は避けて設置すべきであるという意味であって、BSL-4施設を市街地に立地することについては、問題視しないとの回答でした。政府も同じ答弁をしています。
  • 6-7. 立地に関する規制基準とその根拠を説明してほしい。

     感染症法にて「地崩れ及び浸水の恐れの少ない場所に設けること」と定められています。また、関連の規程で、「地形、地質、気象等の自然条件からみて、災害の防止が図られ、かつ、環境の保全に配慮されていること」、「当該官庁施設の利用者、執務者等が安全かつ円滑に出入りできる構造の道路に接すること」等が定められています。国際的な指針となっているWHO指針にも、施設そのものの立地についての規定はありません。
  • 6-8. 最も危険性の高い関東地区、関西地区に設置することが、日本にとって最適なリスク対策となるのではないですか?

     国際的な人的交流の活発化により感染症の脅威は増しており、長崎も例外ではありません。
    長崎大学には、専門的知識や感染症研究に精通した研究者が多数在籍しており、BSL-4施設の管理運営にふさわしい実力があると考えています。
  • 6-9. 国立感染症研究所は近々移転するのではないのですか?

     平成27年8月3日に厚生労働大臣が確認した事項では、「4.施設の老朽化も踏まえ、日本学術会議の提言等も参考にし、武蔵村山市以外の適地におけるBSL-4施設の確保について検討し、結論を得る。」とされています。