米国テキサス大学医学部ガルベストン校は、地域社会からの支持と参加を重視しました。長崎大学としても、こうした先行事例を参考として、地域と共生した運営体制を構築していく予定です。

(1)海外での取り組みについて
 長崎大学としては、BSL-4施設については、地域の皆様と情報を共有するのみならず、地域の方々も交えた運営を図ることが重要であると考えております。
 そのため、引き続き海外の先行事例についての調査を進め、地域の皆様にご安心いただけるような仕組みづくりを実現したいと考えておりますが、現時点での先進事例として、米国テキサス大学医学部ガルベストン校のBSL-4施設(GNL)における地域との連携体制をご紹介します。
GNLの運営においては、「地域社会からの支持と参加」が不可欠な要素とされており、以下の2つの組織が地域との連携を担っています。

①地域連絡協議会(CommunityLiaisonCommittee,CLC)
 地域連絡協議会は、ガルベストン群判事により指名され、テキサス大学により任命された地域市民により構成され(調査時9名)、定期的に開催されます。この協議会は、テキサス大学長に報告を行うとともに、GNL、大学、そして地域社会の間における情報共有に関する助言を行います。事務局は大学が務めるほか、会合には、学長、渉外担当副学長、その他の大学関係者が列席します。

②地域諮問委員会(CommunityAdvisoryBoard,CAB)
 地域諮問委員会は、歴史的に見るとCLCに先んじて設置されましたが、現在はCLCの活動を補完する組織として約60名のメンバーで構成され(CLCメンバーの一部を含む。)、テキサス大学における重要な成果に関する情報提供を受けるとともに、地域社会との情報共有について同大学を支援する役割を担っています。この委員会は、年に3~4回のペースで、朝食会の形で開催されています。


(2)長崎大学での取り組みについて
 長崎大学は、地域との共生を前提とした発展を目指しており、BSL-4施設の設置運営に当たっても、地域住民のご理解とご支持の上で進めていきたいと考えています。
 こうした考え方の下、これまでに様々な形での説明会、質問会、市民公開講座の開催、ニューズレター「感染症とたたかう」の発行などを通して、地域の皆様に最新の感染症対策など、注意すべき情報を提供してきました。さらに海外の事例調査も進めてきました。
 これまで長崎大学が調査した事例では、例えば、ドイツ・ハンブルグの「ベルンハルト・ノホト熱帯医学研究所」では、地域住民が直接運営に関与するのではなく、地方政府の監督下で施設が運営されています。他方、米国テキサス州のテキサス大学医学部ガルベストン校のように、地域連絡協議会(CLC)、地域諮問委員会(CAB)など地域と連携した組織を設置している例もあります。
 これらの違いは、その都市を巡る環境、その研究機関が立地した事情などの要因によるものと考えられますが、今後、BSL-4施設設置計画の具体化に当たっては、その進捗状況をオープンにして、地域住民のご疑問やご不安、ご懸念の解消に努めるとともに、そのご意見を可能な限り取り入れる運営体制を構築していきたいと考えています。また、併せて、国際的な感染症の動向や気をつけるべき点などの情報を積極的に地域社会に提供することで、特に近隣住民の安全・安心の向上に努めていきたいと考えています。