プロジェクト概要

ブラジルプロジェクト拠点は、令和5年度AMED新興・再興感染症研究基盤創生事業(海外拠点研究領域)に応募した課題「ブラジルにおける新興・再興感染症制御研究の推進(研究開発代表者:安田二朗教授)」の採択を受けて、2024年1月に設置された海外研究拠点です。拠点は、ブラジル連邦共和国北東部のペルナンブコ州レシフェ市にあるペルナンブコ連邦大学ケイゾウ・アサミ研究所内に設置されており、ブラジルで発生している感染症、南米で問題となっている感染症の実態調査とそれらの感染症に対する対策研究、そして今後出現する可能性のある新興感染症に対する先回り研究を現地研究者とともに推進しています。

Brazil Station Map

ブラジル拠点設立の背景

ブラジルは、急速な経済成長を遂げる一方、貧困・人口増加、環境破壊を伴う開発など新興感染症の発生や感染症の流行が起こりやすい状況にあります。実際、2015-16年にはジカウイルス感染症(ジカ熱)の大規模な流行がブラジルを中心に中南米で発生し、世界各地に感染が飛び火しました。また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックの初期には、累計感染者数が世界第4位、累計死者数が世界第2位という深刻な状況に陥りました。インフルエンザ、麻疹、西ナイル熱、デング熱、チクングニア熱、黄熱も度々流行しており、シャーガス病、マヤロ熱、南米出血熱など中南米特有の人獣共通感染症の発生も問題となっています。さらに、ブラジル北西部に広がるアマゾン熱帯雨林には、多種多様な野生動物が生息しており、野生動物との接触機会の増加等による新興感染症Disease X出現の可能性も危惧されています。

このように、ブラジルは感染症の地球規模での拡大の主要なエピセンターの一つとなっており、感染症発生の状況を常時把握することが国際的な感染症対策の策定に必要です。加えて、新興感染症発生の可能性の高いブラジルにおける感染症モニタリングは、Disease Xを含む新興・再興感染症流行の迅速な把握にも極めて重要です。

ペルナンブコ連邦大学
ケイゾウ・アサミ研究所について

ケイゾウ・アサミ研究所(iLIKA)は、1986年にJICA技術協力プロジェクトによりペルナンブコ連邦大学(UFPE)に設立された研究所であり、設立に尽力された浅見敬三先生(慶応義塾大学医学部教授)の名前が冠されています。設立時はケイゾウ・アサミ免疫病理学研究所(LIKA)という名称でしたが、2022年に現在の名前に改称されています。長崎大学とは2016年のジカ熱の流行時に安田二朗教授(熱帯医学研究所/高度感染症研究センター)のグループが共同研究を開始しています。

UFPE - iLIKA images

拠点紹介

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ブラジルプロジェクト拠点について

研究概要

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当プロジェクトの研究概要

業績集

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研究業績

写真集

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プロジェクトと周辺地域の写真集

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