発表論文:Exploring suramin's antiviral effects: targeting Lymphocytic Choriomeningitis virus cell entry and replication/transcription processes. 日本語解説

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Exploring suramin's antiviral effects: targeting Lymphocytic Choriomeningitis virus cell entry and replication/transcription processes.

Virology. 2025 Apr 30;609:110557. doi: 10.1016/j.virol.2025.110557. PMID: 40393305
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40393305/

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 Suramin (スラミン)は100年以上前に発見され、寄生虫感染が原因として発症するアフリカ睡眠病や糸状虫症に対する薬として使用されてきました。最近ではスラミンが様々なウイルスに対して抗ウイルス効果を示すことが報告されてきているが、今回我々はスラミンがアレナウイルスの一つであるリンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス (LCMV)に対しても抗ウイルス効果があることを明らかとしました。スラミンはLCMVの細胞への侵入過程及び細胞内でのウイルスゲノム複製過程の2つの異なる過程を阻害することが分かり、スラミン耐性ウイルスが出現しにくい可能性を示しました。